創業者メッセージ

最先端。それだけでは、価値が無い

プロメテック・ソフトウェアは、大学で研究が進められてきたシミュレーションとCGのコア技術をベースとして、計算科学ソフトウェアのエンジニアリング分野や映像分野への応用を目指しております。 

コンピュータの驚異的な性能の向上によって、これまでは、もっぱらエンジニアリング分野で発達してきたシミュレーション技術と、映像分野での応用が中心であったCG技術とは、今お互いに歩み寄る傾向を見せています。例えば、PS3やXbox360といったゲーム機は、ひと世代前のスーパーコンピュータをしのぐ演算能力を有しており、海の波、川の流れといった流体の振る舞いをシミュレーション技術し、エンターテインメント分野に応用することも不可能ではなくなってきました。

プロメテック・ソフトウェアは、シミュレーション技術とCG技術の融合によって実現される次世代のリアリティ “Computational Reality”をエンジニアリング分野や映像分野にご提供して参る所存です。計算科学技術のフロンティアを開拓していくプロメテック・ソフトウェアに、どうぞ、ご期待ください。

プロメテックグループ株式会社 代表取締役会長兼社長
グループ最高経営責任者(グループCEO)
藤澤 智光

略歴

2003年
[3月]
東京大学大学院 工学系研究科 システム量子工学専攻修了 博士(工学)
[4月]
東京大学 生産技術研究所 計算科学技術連携研究センターにて産学官連携研究員として、文部科学省ITプログラム「戦略的基盤ソフトウェアの開発」プロジェクトにおいて、数値流体力学に関するプログラム開発に携わる。また、越塚誠一東大助教授(当時)とともに、シミュレーションとCGの融合を目指した研究会「ビジュアル・エンジニアリング研究会」を立ち上げ幹事を務める。

2004年
[10月]
同プロジェクトおよび同研究会で研究開発された成果をもとに、大学発ベンチャー企業であるプロメテック・ソフトウェア株式会社を設立し、代表取締役社長兼CEOに就任

2016年
[1月]
ディープラーニング/CAD/DAE業界向けに GPU/クラウド/VDI/セキュリティソリューション を提供する
GDEPソリューションズ株式会社を設立し、取締役会長に就任

2019年
[6月]
プロメテック・ソフトウェア株式会社 代表取締役会長兼CEOに就任

2023年
[10月]
プロメテックグループ株式会社 代表取締役会長兼社長、グループ最高経営責任者(グループCEO)に就任

科学技術創造立国として生きていくために

研究者ならば誰でも自分の研究が社会で実際に役立つことはこの上ない喜びではないでしょうか。

私はこれまで流体力学や構造力学の数値シミュレーションの研究をおこなってきました。特に、粒子法は独自に開発してきた新しいシミュレーション手法で、複雑な自由液面の動き、凝固や融解などの相変化、爆発や破壊のような形状変化の大きな現象を計算することができます。

これまで数値シミュレーションは大学などの研究機関では活発に研究されていましたが、産業においては製品の設計を支援するツールという、いわば補助的な役 割にとどまっておりました。特に日本では「物」ではないシミュレーションにあまり大きな関心(=期待=投資)は払われてきませんでした。そのため、商用 コード開発では日本は欧米に大きく遅れを取っているのが現状です。

プロメテック・ソフトウェア株式会社では、大学における数値シミュレーションの高い技術を積極的に社会に発信していきます。さらに、コンピュータグラフィックス技術との融合により、映像制作などへの新しい展開も目指しています。

島国で資源の乏しい日本は、将来においても科学技術創造立国として生きていくことが現在の繁栄を維持していくために必要不可欠です。産学連携はそのための重要な役割を期待されております。​ぜひ皆様の暖かいご支援をお願いいたします。

共同創業者
東京大学教授・MPS法考案者
越塚 誠一

略歴

1986年
[3月]
東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻修士課程修了

1991年
[2月]
博士(工学)取得

2004年
[4月]
教授。
大学院から一貫して数値流体力学の研究に携わる。複雑形状に対する数値解析法である境界適合座標法に関する研究で博士を取得する。
1994~5年に英国Imperial College機械工学科に滞在し、SIMPLE法による混相流解析の研究をおこなう。その後、メッシュを用いない数値解析法である粒子法として、独自に MPS法(Moving Particle Simulation Method)を開発する。
文部科学省「基盤的ソフトウェアの開発:次世代構造解析」プロジェクト(FY2002-2004)に藤澤智光氏らとともに参加する。その中でシミュレーションとCGの融合を目指した「ビジュアル・エンジニアリング研究会」を発足させ代表を務めた。

主な受賞歴

平成15年 日本原子力学会賞論文賞特賞
平成16年 日本機械学会計算力学部門業績賞
平成18年 日本学術振興会賞
平成22年 日本計算工学会川井メダル

著書

[1] 越塚誠一、”数値流体力学”培風館(1997)
[2] 越塚誠一、”粒子法”丸善(2005)
[3] 越塚誠一、原田隆宏、田中正幸、近藤雅裕、”粒子法シミュレーション 物理ベースCG入門”培風館(2008)