コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH Asia 2023」でプロメテックCGリサーチメンバーの論文が採択
このたび、プロメテック・ソフトウェア株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長兼CEO 鈴木 崇彦、以下「プロメテック」)は、2023年12月12日から15日までシドニーで開催されるコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH Asia 2023」のTechnical PapersとPoster部門において、プロメテックのCG研究機関であるプロメテックCGリサーチ(所長:西田友是東京大学名誉教授、以下「CGリサーチ」)のメンバーである土橋 宜典(CGリサーチ副所長)、岩崎 慶、佐藤 周平らによる論文が採択されましたのでお知らせいたします。
■Technical Papers部門
論文タイトル:
”Efficient Visualization of Light Pollution for the Night Sky”
著者:
Yoshinori Dobashi and Naoto Ishikawa (Hokkaido University, Prometech CG Research) and Kei Iwasaki (Saitama University, Prometech CG Research)
概要:
人工光源は私たちの日常生活を便利にしてくれる一方で、光害という深刻な問題を引き起こしています。本研究では、夜空の光害を効率的に可視化するための新しいシステムを提案します。光害を可視化するには、地上にある多くの都市光源を考慮する必要があり、その結果、計算コストが膨大になります。私たちは、さまざまな都市の光に照らされた空の強度分布を事前計算し、主成分分析と高速フーリエ変換を適用することで、単純な手法と比較して、3~4桁ほど高速な計算が可能な方法を開発しました。さらに、光害に影響のある都市の光を特定するという逆問題を高速に解く手法も開発し、光害に関して、順方向および逆方向の両方の可視化ツールをユーザーに提供します。
■Poster部門
論文タイトル:
”Text-driven Tree Modeling on L-System”
著者:
Yudai Ichimura (Hosei University) and Syuhei Sato (Hosei University, Prometech CG Research)
概要:
この研究では、植物のプロシージャルモデリングにおいて古典的な手法であるL-Systemのパラメータを、CLIPを利用して最適化することで、ユーザーが入力したテキストに沿った樹木のモデルを生成する手法を提案します。最適化手法には遺伝的アルゴリズムを用い、最適化の評価値を得るためにCLIPを利用しています。
SIGGRAPH Asia 2023 Webサイト:https://asia.siggraph.org/2023/
プロメテックでは、CG研究の豊富な蓄積のもと、今後も継続して先端的なシミュレーションやAIの技術と融合し、新しい時代のCG技術を生み出します。プロメテックCGリサーチの最新の取り組み内容については、こちらをご参照ください。
プロメテックCGリサーチについて
プロメテックが所管するコンピュータグラフィックス研究所「プロメテックCGリサーチ」は、コンピュータグラフィックスの研究開発、新たなコンテンツ・サービス等の開発を進める研究機関です。プロメテックはこれまでも、「Computational Reality -計算科学でつくるよりよい未来」をビジョンとして、シミュレーション技術を中心に、CGやAIといった関連分野においても様々な新しい技術の開発に取り組んでまいりました。「プロメテックCGリサーチ」の所長である西田友是氏は、CG界のノーベル賞とも呼ばれているスティーブン・A・クーンズ賞(The Steven A. Coons Award)をアジアで唯一の受賞した研究者です。西田氏が考案した「ラジオシティ法」は、今や全てのコンピュータグラフィックス作品やゲームソフトに用いられる基盤技術となっています。今後も豊富な経験を背景として、精力的な研究活動を続けてまいります。
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