コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH Asia 2024」でプロメテックCGリサーチメンバーの論文が採択

このたび、プロメテック・ソフトウェア株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長兼CEO 鈴木 崇彦、以下「プロメテック」)は、2024年12月3日から6日まで東京国際フォーラムで開催されるコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH Asia 2024」のPoster部門において、プロメテックのCG研究機関であるプロメテックCGリサーチ(所長:西田友是東京大学名誉教授、以下「CGリサーチ」)のメンバーである土橋 宜典(CGリサーチ副所長)と佐藤 周平(CGリサーチ研究員)らによる論文が採択されましたのでお知らせいたします。

Posters Gallery: Locally Editing Steady Fluid Flow via Controlling Repulsive Forces from Terrain

■Poster部門

論文タイトル“Locally Editing Steady Fluid Flow via Controlling Repulsive Forces from Terrain”
著者(所属)木村悠希(北海道大学・プロメテックCGリサーチ)、土橋宜典(北海道大学・プロメテックCGリサーチ)、佐藤周平(法政大学・プロメテックCGリサーチ)
概要本論文では、SPHを用いてシミュレーションされた河川や滝などの定常流に対する新しい制御手法を提案します。ユーザーは流体が通過すべきターゲットポイントを配置でき、これらのポイントを使って流体の流れを制御することが可能です。これは、地形表面における反発力を制御することで実現されます。ターゲットポイントに向かって流体粒子が接近する際に影響を与える地形上の位置を検出し、それらの位置における反発力はフィードバック制御機構を通じて自動的に調整されます。我々の手法は定常流の局所的な制御を可能にし、いくつかの例を通じてその有効性を示します。

■Poster部門

論文タイトル“Efficient visualization of appearance space of translucent objects using differential rendering”
著者(所属)鈴木りえる(北海道大学)、土橋宜典(北海道大学・プロメテックCGリサーチ)
概要半透明な物体は、表面下散乱によって独特な外観を持ちます。コンピュータグラフィックスでは、これらをリアルに描写するための様々な手法が存在しますが、望ましい外観を得るためには、パラメータの調整に多くの手間と時間がかかることがよくあります。本論文では、ユーザーが表面下散乱パラメータ空間をインタラクティブに探索できる効率的な可視化手法を提案し、その負担を軽減することを目的としています。この手法は主成分分析(PCA)とラジアルベース関数(RBF)を組み合わせることで、異なるパラメータでの画像を迅速に計算し、ユーザーが効率的に最適な設定を見つけるのを支援します。

■Poster部門

論文タイトル“A Relighting Method for Single Terrain Image based on Two-stage Albedo Estimation Model”
著者(所属)立川 駿(法政大学)、佐藤 周平(法政大学・プロメテックCGリサーチ)
概要本論文では、ディープラーニングを使用してアルベドと深度を推定することで、ユーザが指定した時間帯や天候条件に合わせて単一の地形画像を再照明する方法を提案します。霧と照明の影響を除去する2段階ネットワークを採用することで、従来の方法では困難だった霧を含む地形画像でも正確なアルベド推定が可能になります。

プロメテックCGリサーチについて

プロメテックが所管するコンピュータグラフィックス研究所「プロメテックCGリサーチ」は、コンピュータグラフィックスの研究開発、新たなコンテンツ・サービス等の開発を進める研究機関です。プロメテックはこれまでも、「Computational Reality -計算科学でつくるよりよい未来」をビジョンとして、シミュレーション技術を中心に、CGやAIといった関連分野においても様々な新しい技術の開発に取り組んでまいりました。「プロメテックCGリサーチ」の所長である西田友是氏は、CG界のノーベル賞とも呼ばれているスティーブン・A・クーンズ賞(The Steven A. Coons Award)をアジアで唯一の受賞した研究者です。西田氏が考案した「ラジオシティ法」は、今や全てのコンピュータグラフィックス作品やゲームソフトに用いられる基盤技術となっています。今後も豊富な経験を背景として、精力的な研究活動を続けてまいります。

プロメテックCGリサーチに関する詳しい情報は、下記Webサイトをご覧ください。

Prometech CGリサーチ Webサイト

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